前回の記事『「macOS Mojave 10.14 Public Beta版」をサポート対象外の “Mac Pro(Early 2008)” にインストールしてみた』でも触れましたが、「macOS Mojave 10.14」はMetalに対応しているGPUを搭載していない機種以外、サポートされなくなりました。
私もご多分に洩れず、サポート対象外の「ATI Radeon HD5770」に換装していました。
しかし、イチかバチかで「macOS Mojave Patcher」を使用して「macOS Mojave 10.14」をインストール。
一度目は失敗しましたが、二度目で成功。Metal非対応のGPUで、なぜインストールできたのか不明のままです。
結果、クリーンインストールは成功したものの「グラフィックス関連は使いものにならない状態」だったというのが、前回の記事でした。
そして、グラフィックボードを次のMetal対応品へ換装することで「macOS Mojave 10.14」へアップグレード可能なことにも触れました。
- Intel HD Graphics 4000以上
- nVidia Geforce GTX 4xx以上
- AMD R9 (HD 7000)以上
「macOS Mojave Patcher」ページの「Known issues (既知の問題)」にも、次のように表記されています。(一部抜粋)
Your only GPU upgrade options for MacPro3,1 systems are nVidia cards, which work perfectly fine.
このように「Mac Pro Early 2008(MacPro3,1)」の場合、「“nVidia製のグラフィックボード” であれば完璧に動作する」と書かれています。(実際はドライバーが開発されていないので完璧動作はしません。)
ですから、まだ希望は残されているようです。ただ、「私はもう「Mac Pro Early 2008」に投資するのは止めたので・・・。」(前回の記事)
ということで、「10万円近い投資をしてまでアップグレードすることもないか」と、今後のアップグレードはあきらめていました。
ところが、先日たまたま「Vintage Computer」の社長日記にアクセスしてみると、
できるだけ安価に入手できるMac版のMetal対応グラフィックボードをご提供することにしました。
社長日記:8/14『macOS Mojave対応のグラフィックボード』より抜粋
調達していただけたのは、『PNY nVIDIA Quadro 4000 for Mac 2GB(中古品)』です。性能的には、現在換装している『ATI Radeon HD5770』よりもちょっと上位といったところでしょう。
絶版になっているので中古品しかありませんが、販売価格は39,800円(本体価格)と、何とかなりそうな投資額。
さすが社長、旧Mac Proユーザーの気持ちを見越した上での品揃えですよね。
これは購入するしかないと思い、即注文してしまいました。(笑)
「Mac Pro Early 2008」、Metal対応GPUに暗雲が・・・
早速、『ATI Radeon HD5770』を『PNY nVIDIA Quadro 4000 for Mac』に換装し、「macOS Mojave 10.14 ベータ版」をインストールしてみました。
いつもどおり「macOS Mojave Patcher」で作成した「USBインストーラ」を使い、クリーンインストール。
完璧動作を期待しての再起動。
ところが、起動はしたものの、『ATI Radeon HD5770』でインストールした時とまったく同じ結果に!???
はっ? どういうこと?
表面上は正常に動作しているように見えるのですが、グラフィックス関連のアプリは全滅です。
例えば、
- スクリーンショットを「プレビュー」で表示するだけでも、完全表示に1〜2分くらいの時間がかかるといったありさま。
- 「マップ」「Pixelmator」などは、起動はするもののウインドウはブラックアウト!
- 3Dゲームにおいては起動すらしません。
などと、まるでメモリー不足のような症状ですが・・・?
スクリーンショットで示したとおり、ちゃんと『NVIDIA Quadro 4000 2GB』を認識しています。
ここはもう一度、『NVIDIA Quadro 4000』の動作確認も含めて、正式サポートされている「OS X El Capitan 10.11」をクリーンインストールし、チェックしてみることにしました。
結果、何も問題なく使用可能、続いて「macOS High Sierra」を上書きインストールしましたが、これも問題なく使用可能。(High Sierra用ドライバもインストール)
最後に、「macOS 10.14 ベータ版」を上書きインストールしリトライしましたが、結局 “残念な結果”となりました。
原因はグラフィックボードではなく、“グラフィックスドライバー”か?
「macOS Mojave 10.14」に対応した仮想マシン(VM)環境ソフト「Parallels Desktop 14 for Mac」がリリースされたので、早速 “Mac Pro 2013” の「Parallels Desktop」に「macOS 10.14 ベータ版」仮想マシンを作成し、テストしてみました。
その結果、「Mac Pro Early 2008」と同様の不具合を確認!
ということは、不具合の原因は『nVIDIA Quadro 4000 for Mac 2GB』ではなく、「macOS 10.14 ベータ版」にあることになります。
「macOS Mojave 10.14」からOpenGL /GL ES、OpenCLが非推奨になっていますので、それに伴う不具合とも考えられますが、よくわかりません。
(追記9/27:間違いなく、これに伴うグラフィックスドライバーの問題のようです。)
ただ、『nVIDIA Quadro 4000 for Mac』に問題があるわけではなかったことで、まずは一安心ですが、残念ながら現時点では「Mac Pro Early 2008」に「macOS 10.14 ベータ版」をインストールすることは控えたほうが良さそうです。
「macOS Mojave 10.14」の正式リリースまでに何か変化があれば、記事にしたいと思います。
【追記:2018/10/20】
NVIDIA:10/18 CUDA 10 and macOS 10.14
NVIDIA:10/18 FAQ about MacOS 10.14 (Mojave) NVIDIA drivers
「Mac Pro(Early 2008)」以外の機種に関しては、確認ができませんがあしからず。
今回、用意したグラフィックボードはこちらです。(nVIDIAからドライバーが配布されることはないと思われますので、おすすめできなくなりました。11/25追記)
『PNY nVIDIA Quadro 4000 for Mac 2GB』(VCQ4000MAC-T) 中古品
公式サイト (株)エルザジャパン:『NVIDIA Quadro 4000 for Mac』
公式サイト (株)エルザジャパン:ドライバダウンロード「QUADRO & GEFORCE MACOS DRIVER RELEASE」
【追記:2019/11/6】朗報です。
記事 :『「macOS Mojave Patcher」 がAMD製GPUをサポート、Mac Pro Early 2008でも快適動作!?』
【“Catalina”をインストールしてみませんか?快適動作!】
記事 『Mac Pro Early 2008 に「macOS 10.15 Catalina」をインストールする方法』