この記事では、アメリカ・インディアンの文化をザックリと知るには “うってつけ” と思われる「おすすめの映画」を2本紹介します。ケビン・コスナー主演『ダンス・ウィズ・ウルブズ』と、ジョニー・デップ主演『デッドマン』です。
民族を描いた作品の評価においては、必ず賛否両論あるものです。ここで紹介する2作品もまた、さまざまな評価がされているようですが、一般的な評価として「インディアンの在り方が忠実に描かれている」と、高評価の作品です。
どちらの作品も、描かれている文化や、世界観、人生観などから、アメリカ・インディアンの在り方を知ることができる「おすすめの映画」です。
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:劇場版ではなく完全版を観よう!
1990年のアメリカ映画、監督・主演・製作はケビン・コスナーで、第63回アカデミー賞作品賞、第48回ゴールデングローブ賞・作品賞を受賞した作品です。
南北戦争時代のフロンティアを舞台に白人(ケビンコスナー演じる北軍中尉)と、スー(ラコタ)族との文化や人の交流を描いた作品で、インディアンの在り方が忠実に表現されていることでも話題になった映画です。
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』は劇場版(181分)ではなく完全版(237分)を観るべし。完全版を観ることで、劇場版では少し唐突な表現になっていた場面がつながり、さらに理解を深めることができます。絶対に完全版を観ることをおすすめします。
インディアン(この映画ではスー(ラコタ)族)の文化や生活を知ることができる映画です。また、インディアン社会には上下関係というものが存在しないことを念頭に置いて観るとよいと思います。
この『ダンス・ウィズ・ウルブズ』、出演しているラコタの人たちの言葉はすべてラコタ語で、英語の字幕があてられています。ですから、「ラコタ語」も学べると言うことですね。
ただし、注意が必要です。というのも、ラコタ語には日本語と同じように男言葉と女言葉があるにもかかわらず、女性のみが言語指導にあたったため、すべての俳優が男女問わず女言葉でしゃべっているそうです。
ですから、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』で学んだラコタ語を男性が使うと「オネエ」と勘違いされるかも?(笑)
現在、入手可能な日本語字幕「完全版(237分)」はここで紹介している『スペシャル・エディション DVD4枚組』(中古)のみとなりますので、興味のある方は中古品を探してみてください。
『デッドマン』:ジョニー・デップ主演作品の中でも特におすすめ!
西部開拓において最前線となった辺境地帯(フロンティア)のリアリティを感じたい方には、ジム・ジャームッシュ脚本監督のモノクロ映画『デッドマン』(1995年)がうってつけ。
ジョニー・デップ演じる主人公「ウイリアム・ブレイク」は、会計士の仕事を求め、ある街にやってくる。しかし、そこで彼を待ち受けていたのは、仕事どころか「濡れ衣を着せられ、殺し屋たちから追われる」という事態。
そこで出会った命の恩人アメリカ・インディアンの「ノーボディ」とともに、主人公「ウイリアム・ブレイク」はアウトローとなって未知の土地奥深くへと旅を続けることとなり、アメリカ・インディアンの世界にどんどん足を踏み入れていくという物語です。
『デッドマン』のみどころは、随所にアメリカ・インディアンの文化をうかがい知ることのできる細かな背景描写、また、登場する部族それぞれの言語の違いや文化の特長が見事に表現されているというところでしょう。
そして、この旅で「ノーボディ」は「ブレイク(ジョニー・デップ)」に、インディアンの世界観から “人が人として生きていくために最も大切なものは何か”、“生きるとはどういうことか”、ということを教えてくれます。
魂に響く良い作品だと思います。
ちなみに、音楽担当は「ニール・ヤング」です。
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