今も残る「アメリカ・インディアンの儀式」【スウェット・ロッジ、ビジョン・クエスト、サンダンス】

アメリカ・インディアンに学ぶ
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アメリカ・インディアン(ラコタ族)の7つの基本的な儀式

 

アメリカ・インディアン(ラコタ族)には、7つの基本的な儀式があります。「スウェット・ロッジ、命名式、治療の儀式、親戚として受け入れる儀式、結婚式、ビジョン・クエスト、サンダンス」です。

その中でも、「Web漂流伝-R」の記事に今後よく出てくると思われる「スウェット・ロッジ、ビジョン・クエスト、サンダンス」の3つの儀式について簡単に説明しておきます。

 

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「スウェット・ロッジ」

生きることのプロセスを思い出させ、不純がすべて清められる儀式

スウェット・ロッジは、ラコタ後の「イニィピー」(子宮)という意味です。この儀式は「火」「木」「水」「石」の4要素の結合により、魂と肉体の浄化のために行われます。

ドーム型のテントを作り、その中に真っ赤に焼けた石を運び込み、タバコ、セージ、薬草などの香りでいっぱいにします。そこでメディスンマンが焼け石に水をかけるとテント内が蒸気で満ち、過激なサウナ状態になります。その中で人々はあらゆるものへの感謝の祈りを捧げます。

この母なる地球の子宮である「スウェット・ロッジ」は、身も心も素っ裸にされ、熱蒸気の力を借りることで、人の「生きることのプロセス」を思い出させ、不純がすべて清められるという儀式なのだそうです。

サイト ウィキペディア:スウェット・ロッジ

 

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「ビジョン・クエスト」

「自分の使命」と出会うことができる儀式

ラコタ語では、「ハンブレチア」ハンブレは「夢」、チアは「泣く」、つまり夢を求めて泣くという意味です。ビジョン・クエストは成人の通過儀礼として、また人生の大きな転機をむかえたときに行われるアメリカ・インディアン伝統の儀式です。

この儀式では、まず断食をしてスウェット・ロッジで心身を清めた後、ここからがスピリット(精霊)との対話の時間、ひとりで奥深い原生林や山の頂上へ向かいます。そして聖なる石の輪である「メディスン・ホイール」を造り、結界を張り、その中で眠ることなく、飲まず食わずで1〜4晩を過ごすのです。

この儀式によって「自分の使命」と出会うことができるそうです。たったひとり、飲まず食わずで自然に溶け込み過ごすうちに、あるとき「スピリット(精霊)」からのメッセージと思われる「何か」を感じるそうです。それが今世での「自分の使命」であるとのことです。中には前世の記憶が蘇ることもあるそうです。

サイト ウィキペディア:スー族:ビジョン・クエスト

 

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「サンダンス」

真夏に行われる、もっとも過酷で神聖な儀式

ラコタ語では、「ウィワァンヤグ・ワチピ」と言い、「太陽を見つめる踊り」という意味です。「サンダンス」は、平原インディアン・スー族の儀式で、かつては男子の通過儀礼として、また部族が問題を抱えたときの祈りの儀式として行われました。

次の儀式の内容につきましては、自ら「サンダンス」に参加された松木正氏の著書より引用させていただきました。

日の出から日の入りまで、太陽に向かって踊る儀式だ。焼けつくような太陽の下、ダンサーたちは飲まず食わずで4日間、1本の木を前にして踊りながら祈り続ける。真夏の、もっとも過酷で神聖な儀式だ。
最終日である4日目の最後は、男性のダンサー全員がピアシングをする。ピアシングとは、チョークチェリーの枝を削った太さ10センチ程のピアスを、両胸に左右一本ずつ通す行いだ。そのピアスとグラウンドの真ん中に立てられたふたまたの巨大なコットンウッドの木(=聖なる木)をロープでつなぎ、祈りを込めて引っぱる。引っぱることで身を引きちぎり、自由になるのだ。
出典:「あるがままの自分を生きていく インディアンの教え」著)松木正(大和書房)

この他にもっと痛々しいピアシング行為もあり、本当に過酷な儀式のようです。私にはとても真似できそうにありません。(本を読んでいるだけでも痛みが伝わってきました。)しかし、この痛みから逃げるのではなく、受け入れることで大切なものが視えてくるという儀式のようです。

 

サイト ウィキペディア:サンダンスの儀式

参考書籍:「イーグルに訊け インディアンに学ぶ人生哲学」著)天外伺朗/衛藤信之(飛鳥新社)
参考書籍:「あるがままの自分を生きていく インディアンの教え」著)松木正(大和書房)

書籍紹介はこちら

「イーグルに訊け インディアンに学ぶ人生哲学」
インディアンの思想・哲学から、現代日本人が忘れてしまった人としての本来の生き方、あり方を取り戻す、学び直すことのできる良書です。著者の天外伺朗氏は、ロボット犬「AIBO」の開発責任者です。
「あるがままの自分を生きていく インディアンの教え」
アメリカ・インディアン(ラコタ族)との生活の中で学んだこと、教わったことを基に、現代の日本人に必要な考え方、生き方、あり方について著者の考えがかなり具体的に述べられています。

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