この記事では、ミッション車のスポーツ走行には欠かせない「ヒール&トゥ」の正しいやり方について簡単に説明しています。
「ヒール&トゥ」とは
私は、自動車教習所に通い始めたときから今まで、ずっと「ウエスタンブーツ」を履いて運転をしてきました。だから、当たり前のようにブーツで「ヒール&トゥ」も行っていました。慣れですねぇ。(普通に公道を走るにあたってこのテクニックは必要ありません。)
「ヒール&トゥ」とは、カーレースなどの競技の中でマニュアル車において減速時、ブレーキをかけてシフトダウンする際に、エンジン回転数とトランスミッションを同調させるために行うテクニックです。
正しい「ヒール&トゥ」のやり方
しかし、このテクニック、間違った操作をしているドライバーが意外と多くいらっしゃいます。私も若い頃は、格好で「こんな感じか?」と、かなりいい加減な「ヒール&トゥ」をしったかぶってやっていました。しかし、それは全くの間違いだということをある人から教わりました。
正しい「ヒール&トゥ」とは、ブレーキを踏んで、クラッチを切り、シフトレバーをニュートラルへ、その次がポイントで、シフトダウンするゲージにシフトレバーを軽く押し当てると同時にヒールでアクセルを踏み回転を上げると、トランスミッションと同調するポイントでシフトレバーがゲージに吸い込まれます。そこでクラッチをつなぐ。これが正しい操作とのことでした。
ただヒールでアクセルをブリッピングし、回転が下がりかけたところでシフト操作をしても何の意味もないどころか、ミッションやタイヤを痛めていただけのようでした。エンジンの回転が上昇中にシフトダウンをしなくてはならないということです。
今では、すべて車が自動的にやってくれる
私は、もう20年以上マニュアル車には乗っていません。世間でもマニュアル車は減少の一途を辿り、普通車はほとんどが「オートマティック車」です。わざわざ面倒なクラッチ操作を人間がしなくても、すべて車が自動的にやってくれるのですからありがたいことです。
現在所有している「Y50フーガ」でも、オートマティック車にもかかわらず、ただブレーキペダルを踏むだけで「ブリッピング」しながらシフトダウンしてくれます。「ヒール&トゥ」を車が勝手にやってくれているのです。私もはじめてそれに気付いたときは、技術の進歩の凄さに感動しました。
そして、最近では「マニュアル車」であっても、ブレーキを踏んでクラッチを切るだけで、自動的に「ブリッピング」してくれる「スロットル・コントローラー」まで販売されています。シフトダウン時、ブレーキ操作に集中できる優れものです。
過剰な付加技術に対する不安も・・・
これからも、技術の進歩は続いていくのでしょうが、人間を運転に集中させるための技術の進歩は大歓迎ですが、過剰な付加技術に対しては「人間の脳が衰退してしまわないか?」一抹の不安も感じます。特にこれからどんどん開発されるであろう「自動運転」に関しては・・・これはまたの機会にしたいと思います。