1971年デビュー、アメリカのウエスト・コースト・ロックを代表するバンドです。一度の解散を挟みながら、トム・ジョンストン(G,Vo)、パトリック・シモンズ(G,Vo)、ジョン・マクフィー(G,Vo)の3人を中心に現在も活躍中で、2017年4月には来日公演も予定されています。
1973年発売の3rdアルバム「The Captain And Me(キャプテン・アンド・ミー)」からシングル・カットされた「Long Train Runnin’(ロング・トレイン・ランニン)」、「China Grove(チャイナ・グローヴ)」、1974年発売の4thアルバム 「What Were Once Vices Are Now Habits(ドゥービー天国)」からの「Black Water(ブラック・ウォーター)」の大ヒットによって、イーグルスと並ぶ人気バンドになりました。
1975年、メロディー・メーカーのひとりでもあった「トム・ジョンストン」の一時脱退によって、スティーリー・ダンのツアー・メンバーであった「マイケル・マクドナルド」が正式加入します。「マイケル・マクドナルド」が中心的なメロディー・メーカーとなったことで、ドゥービーのサウンドは、あっという間に「AOR色」の強い曲調へと変化していきます。
このサウンドの変化には賛否両論あったものの、1978年発表の8thアルバム「Minute by Minute」からは、ファースト・シングル「What a Fool Believes(ホワット・ア・フール・ビリーヴス)」とセカンド・シングルでアルバム・タイトル曲「Minute by Minute(ミニット・バイ・ミニット)」の2曲がグラミー賞を受賞します。
音楽性の変化に伴いメンバーの脱退が続き、唯一のオリジナル・メンバーでリーダーの「パトリック・シモンズ」は活動休止を提案、1982年のライブ「フェアウェル・ツアー」を最後に解散することとなります。
1987年に一時再結成、1989年にオリジナル・メンバーのトム・ジョンストン、パトリック・シモンズ、ジョン・ハートマンらと、9年ぶりの10thアルバム「Cycles(サイクルズ)」をリリースし、活動を再開します。その後メンバー・チェンジを繰り返しながら現在に至っています。
「Minute By Minute」(邦題:ミニット・バイ・ミニット) 1978年リリース
8thアルバム「Minute By Minute」は「マイケル・マクドナルド」が加入して3作目で、全米チャートNo.1を獲得した “アメリカ・ポップ史に残る” ドゥービー・ブラザーズの名盤中の名盤です。この頃は完全に「ドゥービー・ブラザーズ = マイケル・マクドナルド」の等式が定着していました。
1曲目の「Here To Love You」からマイケル・マクドナルドの世界が広がります。
2曲目の「What A Fool Believes」は「マイケルとケニー・ロギンス」の共作で、シングル・カットされ全米ポップ・シングル・チャートNo.1を獲得しました。
続く3曲目「Minute By Minute」、アルバム・タイトルでもあるこの楽曲もシングル・カット(2nd)されました。イントロを聴くと、まるで「スティーリー・ダン」かと思ってしまうほどで、マイケルのサウンド作りにステーリー・ダンへの参加が大きく影響していることが、ハッキリとわかります。
「What A Fool Believes」はグラミー賞最優秀楽曲賞、アルバム・タイトル曲「Minute By Minute」は最優秀ポップ・ボーカル賞を受賞し、加入当初、賛否の分かれていたマイケル・サウンドに高い評価が集まることとなります。
ほぼ全曲マイケルのキーボード中心の楽曲で、「リフ、歌、そしてアレンジ」すべてにおいて、この作品はロックではなく、「AOR」のサウンドとして成立していることがわかります。色あせることのない洗練されたサウンドに、センスの良いキーボード・リフ、まろやかなヴォーカル、そしてアルバム全体の構成の良さと、大好きな作品です。
そして次のアルバム「One Step Closer」発表後、ドゥービー・ブラザーズは解散し、マイケル・マクドナルドはソロ活動に入ります。
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「Takin’ It To The Street」(邦題:ドゥービー・ストリート) 1976年リリース
この6thアルバムから、スティーリー・ダンを経て参加した「マイケル・マクドナルド」の影響により、今までとはまったく違うサウンド作りが顔を出し始めます。
ウエスト・コーストの風を感じることのできるロックから、完全にAORのジャンルに分類される大人のサウンドへと方向転換しています。
ドライブ感あふれるギター・サウンドが中心の3rdアルバム「Captain And Me」を聴いてドゥービー・ブラザーズのファンになった方には、たいへんショッキングなアルバムだったことでしょう。しかし、この作品以降もマイケル・マクドナルドがメロディー・メーカーとなり、ヒット曲を連発していくことになります。
注目曲は、アルバムタイトル曲の「Takin’ It To The Street」と7曲目「It Keeps You Runnin’」でしょう。どちらもマイケル・マクドナルドの魅力である独特の斬新なリフとメロディー・ラインが際立ちます。
特に「Takin’ It To The Street」でのキーボードはセンスの良さが光っています。やはり、どことなく「スティーリー・ダン」の要素が顔を出すフレーズもあります。
また、4曲目の「Losin’ End」は、1982年にリリースしたマイケル・マクドナルドのソロ・アルバム「思慕」にも収録されている楽曲です。
そして、8曲目の「Turn It Loose」を聴くと、「あっ、そうか、今聴いてるのはドゥービーだった」と、ドゥービー・ブラザーズのアルバムを聴いていたことを思い出させてくれる楽曲で、何とも妙な感じを味わいます。
「ウエスト・コースト・ロック」と「AOR」、2つのサウンドが混じり合った作品で、どことなくメンバーの戸惑いを感じてしまいますが、「マイケル・マクドナルド」ファンにはおすすめの一枚です。
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「The Captain And Me」 1973年リリース
ドゥービー・ブラザーズ3作目、この作品で「イーグルス」と並ぶアメリカ・ウエスト・コーストを代表する存在となりました。この頃は、軽快なギター・サウンドと歌のハーモニーで、たいへん爽やかなイメージです。
中でも2曲目の「Long Train Runnin’」と3曲目「China Grove」は、現在でもTV・ラジオなどで頻繁に耳にする大ヒット曲です。車の中で聴いていると、とても楽しい気分でドライブできる「ノリノリ」の楽曲です。
例えば「Long Train Runnin’」は、現在(2017年2月)はスバル「レヴォーグ(STI Sport)」、過去にはトヨタ「チェイサー」「ハリアー」など自動車のCMソングとして使用されていていることなどからも、「乗りの良い楽曲」であることがわかります。
このアルバムもそうなのですが、マイケル・マクドナルドが参加するまでは、5曲目の「Clear As The Driven Snow」のようにアメリカ西部の香りが漂ってきそうな楽曲も収録されています。
また、8曲目の「Evil Woman」は、初期「ホワイトスネイク」のアルバムに収録されていても不思議ではないような曲調です。ドゥービー・ブラザーズの楽曲の中では、珍しいパターンのサウンドではないでしょうか。
このように、アルバム全体としてバラエティに富んだ構成になっています。ドライブ感あふれるギター・サウンドや美しいコーラスなど、ウエスト・コーストらしいサウンドが好きな人にはおすすめの一枚です。
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