私の独断と偏見で、以下のように活動時期を分割し「おすすめのアルバム」を紹介しています。
- 「初期」:ブラック・サバス風のヘヴィなロック〜ドラマチックな展開中心のハード・ロック時代まで。1stアルバム『Rocka Rolla』〜 3rdアルバム『SIN AFTER SIN(邦題:背信の門)』
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「成長期」:今までのハード・ロック・サウンドから重厚感のあるヘヴィ・メタル・サウンドへの転換期〜確立までの時代。4thアルバム『STAIND CLASS』〜 7thアルバム『POINT OF ENTRY(邦題:黄金のスペクトル)』
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「絶頂期」:ロブ・ハルフォードが “メタル・ゴッド” としてヘヴィ・メタル界の王者の座に君臨した時代。8thアルバム『復讐の叫び』〜 12thアルバム『ペインキラー』
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「再生期」:2003年に、ロブ・ハルフォード(Vo)復帰以降〜現在まで。15thアルバム『エンジェル・オブ・レトリビューション』〜
この記事では「成長期」にあたる1978年〜1981年までの作品の中から、個人的におすすめする作品を紹介してます。リリース時期の近い順に並んでいます。
「UNLEASHED IN THE EAST」(邦題:イン・ジ・イースト) 1979年リリース
5作目「KILLING MACHINE」を引っさげての、1979年2月の東京公演を収録した初のライブアルバム(通算6枚目)です。
実はこの公演では、ロブ・ハルフォード(Vo)が宿泊したホテルの空調が原因で「のど」を痛め、納得のいく収録ができなかったために歌だけは後録りになっているようです。
しかし、そんな事情は微塵も感じさせない、ドライブ感のある「ヘヴィ・メタル・サウンド」を聴かせてくれます。ロバート・ハルフォードのボーカルも、後録りが功を奏してクリアでたいへん聴きやすくなっています。多少、臨場感に欠ける部分もありますが、まったく気になるレベルではありません。
ヘヴィ・メタル系のライブ・アルバムの中では、この「UNLEASHED IN THE EAST」が一番好きで、発売当時(高校生)は本当によく聴き込みました。ロブの歌を聴いていると、あまりにも気持ち良さそうに発声しているので、「たまにはボーカルもいいかな?」と、自分のバンドとは別バンドで歌ってしまったことがありました。(笑)
さて、このライブ・アルバム、1曲目の「Exciter」〜ラスト「Starbreaker」まで全曲通して、スタジオ・バージョンよりもずっと「厚み」と「スピード感」のあるサウンドになっています。これがジューダス・プリーストのサウンド、「ヘヴィ・メタルだ!」と宣言しているかのような勢いで、かっ飛ばしてくれます。
2作目のアルバム「SAD WINGS OF DESTINY (邦題:運命の翼)」、3作目「SIN AFTER SIN (邦題:背信の門)」に収録されている叙情的なメロディの楽曲も「重厚感」が増すことで、さらにドラマティックさが際立っています。
初期の楽曲を楽しむなら「UNLEASHED IN THE EAST」が、仕上がり上々「おすすめの1枚」です。
そして、5作目の「KILLING MACHINE」以降、一貫してこの重厚感あるサウンドをジューダス・プリーストの音として定着させていきます。
「KILLING MACHINE」(邦題:殺人機械) 1978年リリース
5作目のアルバムで、前作の「STAINED CLASS」でみせたヘヴィ・メタル・サウンドから、さらに厚みのある太いサウンドへと進化しています。「ジューダス・プリースト」が正真正銘のヘヴィ・メタル・バンドであることを証明したアルバムです。
最もジューダスらしいインパクトのある楽曲は、4曲目の「Hell Bent For Leather」でしょう。「メタルらしいギター・リフ」、「ライトハンド奏法から始まるツイン・ギター・ソロ」、そしてロブ・ハルフォードの「ハイ・トーン・ボイス」と、ジューダス本来の魅力をちりばめながら、さらに重厚感のあるサウンドへと進化していることがよくわかる楽曲です。
次に発表された6作目(ライブ盤を含めると通算7枚目)「BRITISH STEEL」に収録されている「Breaking The Law」「Living After Midnight」と並び、現在でもライブを盛り上げるには欠かせない楽曲となっています。
アメリカでは、この楽曲のタイトル「Hell Bent For Leather」がアルバム・タイトルとしてリリースされました。
注目曲としては、7曲目の「The Green Manalishi」で、フリートウッド・マックのカバー曲ということで話題になりました。原曲の特長を生かしながら、完全にジューダス・プリースト流のアレンジが施されていてたいへん印象的な楽曲に仕上がっています。
初めてこのアルバムを耳にしたとき、「メロディアスな部分を極力削り、重厚感あるサウンドへと方向転換し、ストレートなヘヴィ・メタルを表現したアルバムだな」といった印象を持ったことを憶えています。ステージ衣装に関してもこのアルバム以降、現在の「レザー&スタッド」スタイルに変更されました。
この5作目「KILLING MACHINE」でのサウンドは、次のライブアルバム「UNLEASHED IN THE EAST」、そして6作目(通算7枚目)「BRITISH STEEL」(1980年リリース)へと引き継がれていきます。
「STAINED CLASS」 1978年リリース
ジューダス・プリーストはこの4作目で、当時のハード・ロックとは一線を画す、スピード感とパワーを備えたサウンドへと進化します。彼らのこの音楽スタイルが80年代以降の「ヘヴィ・メタル」の礎を築いたといっても過言ではないでしょう。
1曲目の「Exciter」で、3作目までのメロディアスな楽曲が中心のジューダスからは想像もつかないような「スピード感」と「勢い」を感じさせます。
それまで、ハード・ロックといえば完成されたギター・リフに格好良さを感じ、コピーしたくなったものですが、この楽曲においてはリフ云々よりも、とにかくスピードとパワーとロブ・ハルフォード(Vo)のハイトーン・ヴォイスが一体となって襲いかかってくるドライブ感に圧倒され、ギターをコピーしただけでは何の満足感も得られないことに気付かされます。
しかし、さすが「グレン・ティプトン」、ギター・ソロは「K・K・ダウニング」とのツイン・リードで、メロディアスにキメてくれます。2人が奏でるギターのハーモニーは本当に美しくジューダス・プリーストの見せ場のひとつです。これまでの作品よりも、さらに磨きのかかったツイン・リード・ギターを聴かせてくれます。
全曲を通して言えることは、メロディーラインの美しさを曲の要所要所に残しつつ、以前の作品と比べると明らかにドライブ感が増幅された聴き応えのある作品になっています。この4作目「STAINED CLASS」は「ジューダス・プリースト転機のアルバム」といえるでしょう。
そして、次の5作目「KILLING MACHINE」以降は、これぞ「ヘヴィ・メタル」といわんばかりの、エッジの効いたギター・サウンドとロブ・ハルフォードのハイトーン・ヴォイスが炸裂!「ヘヴィ・メタル王者」へと上りつめていきます。
(ただ、7作目「POINT OF ENTRY(邦題:黄金のスペクトル)」だけはアメリカ進出を狙ってリリースされたポップな作品で、「これって、キッスか?」と思ったくらいでした。)
ジューダス・プリースト「最盛期」のおすすめCDは、こちらの記事をどうぞ!
記事 『FIREPOWER』(邦題:ファイアーパワー)
ジューダス・プリースト「絶頂期」のおすすめCDは、こちらの記事をどうぞ!
記事 『SCREAMING FOR VENGEANCE』(邦題:復讐の叫び)『DEFENDERS OF THE FAITH』(邦題:背徳の掟)
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