ブリティッシュ・ハード・ロック界を代表するギタリスト「リッチー・ブラックモア」が、ディープ・パープルを脱退して新たに結成したハード・ロック・バンド。
「レインボー」は、リッチー・ブラックモアがディープ・パープルでは表現しきれなかった「ハード・ロックとバロック音楽を融合したサウンド」を披露するために結成したバンドです。
「レインボー」の特徴は、ただワンパターンのサウンドを押し通すのではなく、その時代の音楽シーンに合わせたアルバム作りをしていくことにあります。そのため、ニュー・アルバムのレコーディングのたびに、メンバーチェンジを伴うということが当たり前になっていました。
メンバーの脱退理由は、よく耳にする「音楽指向性の相違」による脱退、または御大リッチーからの解雇通告によるものです。基本的に「リッチー・ブラックモア」のワンマン・バンドですから致し方ないことでしょう。
リッチー・ブラックモアが「ストラトキャスター」を抱えて立っていれば、そこが「レインボーのステージ」になる、そしてそのステージを独自の世界として表現するのがリッチー・ブラックモアです。
「メモリーズ・イン・ロック ライヴ・アット・モンスターズ・オブ・ロック2016」 2016年リリース
19年ぶりにハードロック・サウンドを炸裂(?)させた「RITCHIE BLACKMORE’S RAINBOWの2016年奇蹟のライヴ!」と、言うことで紹介しておきます。パッケージのラインナップとしては「Blu-ray、DVD、CD」がリリースされています。
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「ON STAGE」 1977年リリース
初来日(1976年12月)したときの武道館公演を収録したライブアルバムで、メンバーはロニー・ジェイムス・ディオ(vo)、コージー・パウエル(ds)、ジミー・ベイン(b)、トニー・カレイ(key)、そして御大リッチー・ブラックモアです。私は、この頃の「レインボー」に最もエネルギーを感じます。
この作品は、2枚組LPレコードで発売されましたが、現在のCDでは「デラックス・エディション版」として、CD1に武道館(1976.12.16)での公演を収録、CD2には大阪公演を収録したものがリリースされています。
しかし、このCD2の収録は大阪公演ではなく、武道館(1976.12.16)の夜の部であるとの専門家の声もあります。また、残念なことは「Still I’m Sad」がカットされている点です。やはり、コージー・パウエルのドラムソロは聴きたいですからねぇ。
そして「ON STAGE」で注目されたのは、オープニングの「Over The Rainbow」の後、迫力のギター・リフで始まるアルバム未発表曲「Kill The King」です。ディープ・パープル時代の「Highway Star」「Burn」に匹敵する楽曲が、いきなりライブで初披露されてしまったのですから。
それはとにかく「カッコいい!」の一言。実際にライブでこの曲を「のっけ」からお見舞いされたら「観客は、一気にフルスロットル!」といった状態でしょう。その後3作目のアルバム「Long Live Rock’n’Roll(邦題:バビロンの城門)」に収録されましたが、やはりライブ・バージョンの方が断然カッコ良く、迫力満点に仕上がっています。
2曲目のメドレー「Man On The Silver Mountain/Blues/Starstruck」は、ライブらしい構成で楽しめます。とくに「Man On The Silver Mountain」はスタジオ・バージョンよりもアップテンポの上、厚みのあるサウンドになっています。
ラスト(CD1)の「Still I’m Sad」も、この時期のレインボーのライブには欠かすことのできない楽曲です。今は亡き「コージー・パウエル」のパワフルで爽快なドラム・ソロを満喫しましょう。
臨場感あふれる迫力のライブ盤「ON STAGE」は「ハード・ロック史上に残る名盤」であることは間違いありません。「LIVE IN JAPAN」(DEEP PURPLE)と共に、絶対おすすめのライブ・アルバムです。
「RAINBOW 〜Live In Munich 1977」 2006年リリース(DVDのみ) 2012年再発(DVD&CD)
リリース時期は前後しますが、「ON STAGE」と同じ頃のライブ・アルバムとしておすすめするのが「RAINBOW 〜Live In Munich 1977」です。これは2005年にバップから発売されたDVDにCD2枚を追加してリマスター版として2012年にワーズレコードから再リリースされた作品です。DVDとCDそれぞれ単体でも販売されています。
注目するのは「Still I’m Sad」です。曲中のソロ・パートでリッチー・ブラックモアは「歓喜の歌」を、コージー・パウエルは「1812年」を演じているところにあります。この頃から次期レインボーへのきざしを見せはじめてます。
そして後にリッチーの「歓喜の歌」は、5作目のアルバム「DIFFICULT TO CURE (邦題:アイ・サレンダー)」のタイトル曲の中に挿入され、コージーの「1812年」は、レインボー脱退後の1stソロ・アルバム「OVER THE TOP」のタイトル曲に挿入されることになりました。どちらも、アルバムタイトル曲という「たいへん重要な楽曲としてカタチを残す」ことになったのです。
また、このライブ・アルバムには「ON STAGE」には収録されていない「Long Live Rock’n’Roll」「Do You Close Your Eyes」(Deluxe Edition CD2には収録されています)が収録されています。
アンコール曲「Do You Close Your Eyes」では、リッチーお得意のギター・クラッシュシーンも収録されています。この作品は是非、DVDの映像で楽しんで欲しいです。
「RISING」(邦題:虹を翔る覇者) 1976年リリース
まず、目に飛び込んでくる迫力あるジャケットがカッコいい! だって虹をつかんじゃってるんですから・・・ ファーストアルバムに収録した「Catch The Rainbow」を洒落てみたんでしょう。
余談はさておき、このアルバムには特に目立ったヒット曲は収録されてはいませんが、全体として一体感があり、勢いを感じるアルバムです。
リッチー・ブラックモアは、ロニー・ジェイムス・ディオ以外のエルフのメンバー全員を解雇して、新たにコージー・パウエル(ds)、ジミー・ベイン(b)、トニー・カレイ(key)を加入させました。そして、自らの人選によるメンバーで制作することができた「初めてのアルバム」ということで力が入ったのでしょう。
まず、1曲目「Tarot Woman」のイントロ部分を聴いたとき、1stアルバム「Ritchie Blackmore’s Rainbow(邦題:銀嶺の覇者)」で受けた印象とは別の新しいリッチー・ブラックモアの世界の幕開けを感じました。
注目曲は、やはり5曲目「Stargazer」と6曲目「A Light In The Black」の大作2曲でしょう。聴き応えのある楽曲です。
当時のロックのアルバムでは、LPレコードのB面に大作を1〜2曲収録するといったパターンが流行していて、多くのアーティストがこのような構成を取り入れていました。
個人的には、3曲目「Starstruck」の切れのあるイントロやリフが好きです。この楽曲はディープ・パープルの「Strange Kind Of Woman」のようなリッチーお得意のシャッフル曲です。
この2ndアルバム「RAINBOW RISING」は、今でも時々聴きたくなる不思議な力を持ったアルバムです。
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