この記事では、幼児・子供に対する「ことば」による情操教育・知育の重要性を提唱してきた外山滋比古氏のロングセラーとなっている著書「思考の整理学」と、その続編「忘却の整理学」を紹介しています。
「忘却の整理学」著)外山滋比古(筑摩書房)
脳を活性化させるためには、忘れることが必要不可欠だということが、書かれています。どの章も脳に新しい情報・知識を記憶するためには、まず、情報や知識を整理し、必要のない記憶を忘れなくてはならない。忘れることによって、想像や思考の手助けになる、ということを繰り返し述べられています。
「思い出はみな美しい」の項で、人間は記憶を美化するということが書かれています。つまり、年月が経つにつれて、たいしたことのない記憶であっても美化され、懐かしさと共に良い(きれいな)記憶に変わっていく、とのことが述べられています。
これは、自分のことを振り返ると、確かに嫌な思い出を少しでも薄い記憶にするために、特にたいした思い出でもないことが、強調され美化されているような気はします。ほかの項は、忘却を説明するための「たとえ」の繰り返しといった感じです。
私も「思考の整理学」待望の続編!ということで読んでみたのですが、本書は「忘却」の重要性に焦点を絞った内容となっており、文字どおり続編(続き)として読めば良いと思います。まあ、簡単に言えばどこからでも読める「エッセイ集」ですかねぇ。
「思考の整理学」著)外山滋比古(ちくま文庫)
1983年に「ちくまセミナー」というシリーズで刊行された書籍ですが、2007年ある書店員の「もっと若いときに読んでいれば」というポップをきっかけに、再び脚光を浴びることになり、ロングセラーを続けています。
思考によって創り出されるアイディアをどのように記憶し、どのように整理すればよいかを提案してくれる良書です。ただ「もっと若いときに読んでいれば」という言葉どおり、10代後半から20代前半くらいまでに読んだほうがよい書籍だと考えます。
なぜなら「一線で活躍している社会人であれば、既にマスターできている」と思われることが書かれているので、再確認にはなりますが、新たな発見や新鮮みは少ないと思われます。若いときに読めば、思考のトレーニングや整理のための入門書になるはずです。
アイディアの創造や整理をテーマにした書籍はたくさん出版されていますが、学生や若い人には、まず最初に「思考の整理学」を読んでみることをおすすめします。それから、他の出版物を読むことで、より一層理解が深まると思います。
余談ではありますが、最近この「思考の整理学」が「東大・京大・早稲田」の生協で、年間文庫ランキング1位を獲得しているらしいです。たしかに、卒業論文などを書く前の脳のリフレッシュにはよいかもしれません。
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