70年代から日本の音楽シーンに大きな影響を与え、洗練された大人のサウンドで常に聴く者を楽しませてくれるギタリストであり、メロディー・メーカーでもあります。
今までに芳野藤丸が率いてきた「藤丸バンド」「SHOGUN」「AB’S」のサウンドは、どれもが日本のAORシーンを牽引してきたものばかりです。特に「SHOGUN」は、『探偵物語(松田優作主演)』などのTV主題歌や挿入歌、エンディングテーマを手がけたことで一躍有名になりました。
松田優作ファンであった私にとっても、『探偵物語』と『SHOGUN』の組み合わせは「最高のコラボレーション」であり、芳野藤丸のサウンドに興味を持つきっかけにもなりました。
また、これまでに数多くの楽曲を有名歌手や俳優、タレントに提供しています。(ウィキペディア:「芳野藤丸」)
そして、みなさんご存じでしたか? UCCコーヒー『BLACK無糖』のCM曲『Black Night(ディープ・パープル)』は、芳野藤丸がギターを弾いているカバー曲だということを。(「Guitar Stories ~情熱のスーパーギタリスト列伝~ 第5回 (TwellV)」本人談より)
2015年「BOR」を結成 「BOR」とは、 Bossa Nova + AOR=BOR!? 新しい音楽ジャンルの意味だそうです。
2019年 新メンバーを迎え「AB’S」(「AB’S THE 3RD」)活動再開。今後の活動に期待。
2022年9月7日発売、50周年記念ソロアルバム『50/50 Fifty-Fifty』。
この記事では、芳野藤丸のソロ・アルバム2作品を紹介しています。どちらも名盤で、私にとっては今でもドライブには欠かせない作品となっています。長期間廃盤扱いでしたが、現在「生産限定SHM-CD紙ジャケット仕様」で「AB’S」とともに復刻しています。生産限定ですのでお早めに!
Facebook 「芳野藤丸」
facebook 「Shogun 芳野藤丸」
公式サイト 「AB’S」
公式サイト 「This is BOR」
公式サイト 「Yoshino Fujimaru on the WEB」
『ROMANTIC GUYS』 1983年リリース
『ROMANTIC GUYS』は、AB’S結成後まもなくリリースされたセカンド・ソロアルバムです。LAのトップ・ミュージシャンが参加し、ロサンゼルスで録音された名盤です。
参加メンバーには、ロベン・フォード(g)をはじめ、ネイザン・イースト(b)、エイブ・ラボリエル(b)、マイク・ベアード(dr)、ドン・クルージン(key)など、トップ・ミュージシャンが集結しました。AB’Sのメンバーである渡辺直樹(b)、岡本敦男(dr)は4曲、松下誠はコーラスで参加。コーラスを聴くと、すぐにAB’Sだとわかってしまいますね。
全曲、ロサンゼルスの風を感じるような爽やかなサウンドでありながら、一流ミュージシャンらの奏でる「音のハーモニーやユニゾン」がサウンドの厚みとなり、最高のAORを聴かせてくれます。
1曲目の『夏の女』は、芳野藤丸らしい軽快なギターのカッティングから始まる楽曲で、とにかくカッコイイ。ロベン・フォードのギターもいいですねぇ。
個人的には3曲目の『思い出の内側で』がお気に入りです。曲構成もカッコ良く、ドライブのお供向きの楽曲です。ただし、失恋の歌ですけどね。
そして、6曲目の『YOU’RE THE ONE』は、「SHOGUN」の3rdアルバムに収録されていた楽曲をアレンジし、セルフカバーしたものです。
バーボンのオンザロックを片手に、ハードボイルドな男らしさ漂う大人のサウンドに酔いしれるのも良し、夏のナイト・ドライブで大人の時間を演出するも良し、とにかく都会的な大人の雰囲気作りにもってこいのアルバムです。
『YOSHINO FUJIMAL』 1982年リリース
『YOSHINO FUJIMAL』は、1982年にリリースされたファースト・ソロアルバムです。発売当時のLPレコードでは、A面が「in the DAY TIME」、B面が「in the NIGHT TIME」と色分けされていました。(私には両面とも「NIGHT TIME」に感じますが・・・。)
サポートメンバーは、松下誠(g)、スペクトラムのリズム・セクションだった渡辺直樹(b)、岡本郭男(ds)です。後にこのメンバーで『AB’S』を結成することになります。
芳野藤丸のボーカルは絶妙なバランスとタイミングの良さで、サウンドと日本語の歌詞をうまく馴染ませています。英語の歌詞は比較的サウンドに乗せやすいと思うのですが、ギタリストでありながら日本語をここまでセンス良く乗せられるテクニックはさすがです。
どの楽曲も、芳野藤丸のムダのない洗煉されたギターのカッティングセンスに「ほれぼれ」します。特に1曲目の「WHO ARE YOU?」と2曲目の「MIDNIGHT PLUS1」がお気に入りです。「WHO ARE YOU?」にコーラスで参加しているのは「桑名晴子」です。
また、4曲目「FREE WAYS 5 TO SOUTH」と7曲目『NOT WHAT I’M LOOKING FOR』、そして8曲目『PRETENDER』は、『AB’S』の予感を大いに漂わせています。
ご紹介したどちらのアルバムも、今でも色あせることのない洗煉された作品であり、日本の音楽界に残る名盤「これぞ、Japanese AOR!」だと、私は思っています。
最近は、正統派で大人のサウンドを聴かせてくれるバンドが本当に少なくなりました。紳士的なセンスの良い音楽がなかなか受け入れられない時代なのかもしれません。とても残念なことです。
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