インディアン・ジュエリーに用いられているシンボルには、必ず意味があります。ジュエリーに刻まれたシンボルが何であるかによって、作者がそのジュエリーに込めた願いや思いがわかるはずです。
ここでは、特によく用いられている数種類のシンボルが表す意味を簡単に紹介します。
【太陽】
万物の創造主にして絶体神といえる存在。また、神が人間の暮らしを見守るための窓だとも言われています。太陽は生命の源・幸福・喜び・豊富・寿命・回復・平和を表わします。
【ココペリ】
精霊(カチナ)の一種で、人々に安住の地を与え、大地に実りをもたらす豊穣の神。ココペリが笛を吹くと植物は育ち、あらゆる生き物は子孫を産み増やし、幸運をもたらすことから、豊穣のシンボルとされています。
【鷲】
インディアンにとって鷲とは、イヌワシのことを指します。イヌワシは山や草原をすみかとし、主にウサギなどを捕らえて食べます。力強く勇猛で、絶体神「太陽」に近い大空の高みを舞い飛ぶイヌワシを霊鳥とし、人と神(太陽)の交信役と考えていました。
鷲は、自由・力・名誉・勇気・知恵・友情・永遠の家族愛などの意味を表します。
【羽根】
鷲(イヌワシ)の尾羽根には特別の霊力が宿ると信じられ、インディアンの世界では地面に羽根を刺すことで神と交信できると伝えられています。また、鷲の羽根は神聖なアイテムであるため、手にしているときは真実を語らなければならないとされています。
羽根は、鷲同様に家族愛・友情・幸運を表します。贈り物にする場合は、相手に忠誠心を誓うという意味になります。
【トカゲ】
地を這うことから、地上のすべてを知り尽くしている動物として考えられていて、知性の象徴とされています。
【蜘蛛】
ホピ族の神話によると、蜘蛛が赤土と糸を混ぜて人間を作ったという伝説があります。
蜘蛛は、創造性・独創性・戦い・反逆を表します。
【熊の足跡】
熊の足跡は、力と勇気の象徴、良いことが起こる前兆を意味します。人を真実へと導く存在とされています。
【カチナ】精霊カチナについて
「カチナ」は、ホピ語で精霊のような存在を意味する「カツィナ」に由来します。カツィナは、「人間界と霊界を仲立ちする存在で、人々の願いを天上の霊的存在に伝えたり、天候を操って雨や雪を降らせたりすることができる」と考えられています。
カツィナは、全部で300種類以上が存在すると言われ、有名なココペリもこの中の一種です。それぞれ特定の動物(シカ、オオカミ、鷲、フクロウ、コオロギなど)や植物(トウモロコシなど)、星や太陽などの天体、雪や雷などの自然現象、神話に登場人物や実在した人物などを表しています。
それぞれの名前や姿、由来や司る権能を覚えるのは大変であることから、子供たちが学びやすくするために作られたのが「カチナ人形」です。
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