インディアン・ジュエリーには欠かすことのできない「ターコイズ」ついて簡単に説明しています。
人々に生きる力を与える石
ターコイズは、紀元前にアメリカ南西部(アリゾナ、ニューメキシコ、ネバダ、ユタ、コロラド州)に暮らしていたアナサジ族によって発見されたと言われています。どこまで行っても赤土の地面が広がる砂漠地帯、その大地のひび割れの奥の方から、水のように澄んだ青い石が発見されました。それが「ターコイズ」です。
この澄んだ青い石(ターコイズ)を見つけたときのアメリカ・インディアンたちは「これは水の石だ!空の石だ!」と歓喜に湧き、踊り、歌い、神に感謝の祈りを捧げたそうです。彼らにとって「ターコイズ」は、特別な存在で「命の水、天の恵みの象徴」であり、人々に生きる力を与える石とされています。
雨乞いの儀式に使われるターコイズの色は「澄んだ空の色」
今でも、「ターコイズ」にさまざまな祈りを託し、お守りとして身につけ、メディスンマンによる儀式の道具としても使われています。なかでも雨乞いの儀式に使われるターコイズの色は、澄んだ空の色をしたものだけで、緑色のものは淀んだ水の色とされ、使用されないそうです。
そもそもなぜ、トルコで採れるわけでもないのに「トルコ石」と呼ぶのか
スカイ・ストーン・トレーディングの小寺康友氏の著書より引用させていただきました。
現在のイランやエジプト北東部のシナイ半島、アフリカ西北部のアトラス山脈の砂漠地帯で採れたものが、トルコを経由してヨーロッパへと伝わった。さらにトルコの商人がヨーロッパで石の行商をしていたこともあって「トルコ石」の名が付いた。ターコイズは世界最古の宝石と言われる。
出典:「完全版 ターコイズ・ブック インディアンがみつけた青い守り石」著)小寺康友(ワールドフォトプレス)
「トルコ石(ターコイズ)」と呼ばれる理由は、ただトルコ人貿易商が中世ヨーロッパにもたらしたために名付けられたということです。そしてこの説明から、エジプトのツタンカーメンをはじめとする王族たちの墓から、「ターコイズ」をあしらった装飾品が発掘される理由もわかります。
参考:「完全版 ターコイズ・ブック インディアンがみつけた青い守り石」著)小寺康友(ワールドフォトプレス)
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