インディアン・ジュエリーといえば「ターコイズと銀」の組み合わせ。
「ターコイズと銀」のジュエリーは “いつ頃” “誰が” 最初に作ったのでしょうか?
アツィディ・サニの弟「スレンダー・メーカー・オブ・シルバー」と「アツィディ・チョン」
アメリカ・インディアンにとって「お守り」として扱われてきた「ターコイズ」を、初めて「銀細工」と組み合わせてジュエリーを作ったのは、1880年頃のナバホの男だったといわれています。しかし、それには2つの説があり、どちらが正しいのかは、はっきりしてません。
ひとりは、銀細工を最初にメキシコ人から学んだアツィディ・サニの弟「スレンダー・メーカー・オブ・シルバー(やせぽっちの銀細工師)」という説で、彼はあるとき銀の指輪の仕上げ作業中、どうしても「何かが足りない」と満足できずにいた。
そこで、手元にあった祖先から受け継いできた「お守りのターコイズ」を指輪の真ん中にはめ込んでみたところ、今まで「見たこともない美しいジュエリー」に仕上がった。それがきっかけで「ターコイズと銀」を組み合わせるようになったというのが、1つの説です。
もうひとりは、ズニ族に最初に銀細工を教えたとされ、銀のコンチョを並べたベルトを考案したことでも知られる「アツィディ・チョン」というナバホの男が、初めて「ターコイズ」を使ったという説です。
インディアン・ジュエリーの定番となった「ターコイズと銀細工」のコンビ
どちらが先かということは、あまり重要ではないことなのでしょう。それよりも、この「ターコイズと銀細工」の組み合わせが、互いの美しさを際立たせる絶妙なコンビネーションとなり、ずっと今まで「インディアン・ジュエリーの定番」として、作り続けられていることこそがすばらしいと私は思います。
参考:「完全版 ターコイズ・ブック インディアンがみつけた青い守り石」著)小寺康友(ワールドフォトプレス)
参考:「インディアンの日々 生きることの迷ったら、インディアンの声を聞け」著)横須賀孝弘(ワールドフォトプレス)
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