「Mac Fan 2016年10月号」の記事に気になるツールの紹介がありました。携帯できるペン型スキャナ「WorldPenScan USB」です。ペン型スキャナは以前から欲しいと思っていたツールなのですが、なかなかこれといったモノが見つからず延び延びになっていました。
今回、たまたまこのスキャナの記事を目にしたことで、ネット上の「購入者の評価」をあらためて調べてみると、先発製品と比べスキャン精度もかなり高くなっているようですし、多くの方が「高評価」を示していたので購入してみました。
ということで「WorldPenScan USB」(400-SCN037)のファースト・インプレッション レポートです。
参考文献からの抜粋や資料づくりに役立つ携帯ツール
本を読んでいて、ブログ記事などの参考になりそうな文章を見つけたとき、あとで資料としてまとめるためにはどうしても「テキストエディッタ」を使ってタイピングするか、紙のノートに書き写すという作業が必要になります。
この作業、本一冊分となると結構な時間と手間を要してしまいます。ノートに手書きした場合などは、自分で書いた字がよくわからなくて、もう一度本を開くハメになることもしばしばあります。
それらを解決してくれるのが、この「WorldPenScan USB」(400-SCN037)です。スキャン方法はきわめて簡単で、パソコンと本体を付属のUSBケーブルで接続し付属の専用ソフトを立ち上げ、取り込みたい文章を一行ずつ「ラインマーカー」を使う要領でスキャンしていくだけです。
スキャンするだけで直接「テキストエディッタ」に読み込んでくれる「楽ちんツール!」
最大の魅力は、スキャンした文章がそのまま「テキストエディッタ」に読み込まれるところにあります。いつも使っているテキストエディッタを起動し、読み込ませたい場所にカーソルを置いた状態で「WorldPenScan USB」をパソコンに接続します。次に付属の専用ソフトを起動してスキャン条件を設定し、ペンで文章をなぞるだけです。
追記:専用ソフトの最新バージョンは、5.0.0(Mac&Windows Update:2017/04/11)です。
【追記:2020/12/8】:専用ソフトの最新バージョンは、v5.3.3(Windows)Update:2019/3/14、v6.2.2(Mac)Update:2020/12/7です。
Mac版は「App Store」からのダウンロードになっています。
WorldPenScan
カテゴリ: Utilities
価格: 無料
起動すると上図のようなツールバーが表示されます。そして、ツールアイコンから設定画面を開きます。
下図、設定画面の「一般」でスキャン条件を設定します。
- ボタン定義:「Enter」指定するとスキャン後ボタンを押したとき「改行」されます。
- 利き手設定:左利きか、右利きを選択
- テキスト方向:横書き文章か、縦書き文章を選択 これを間違えると見たこともないような文字が出現します。
- スキャン方向:左から右か、右から左を選択
この「ビジネスモード」は、「バーコード」の読み込みや「英数字のみ」をスキャンする場合の設定です。
この専用ソフトにはWEB翻訳機能があり、この画面を表示してスキャンすると設定した言語に翻訳してくれます。デフォルトでは「Google翻訳エンジン」を使っているようです。
実際に文章をスキャンしてみた結果
では、実際に文章をスキャンしてみた結果をレポートします。
テストスキャンということで、「パッケージの文字」「付属マニュアル」「単行本」「色付きの本(青地に白文字)」「色付きの本(オレンジ色文字)」5種類のパターンで試してみました。テストは「蛍光灯の光の下」というすべて同じ条件でスキャンしました。
テストに使用したテキストエディッタは、私がブログ記事を書くときに使用している「Ulysses(for Mac)」です。
スキャン時の注意点がひとつだけあります。それは下の写真で示している「ローラー」部分が、スキャンする紙や本などから絶対に離れないようになぞっていく必要があるということです。一瞬でも離れてしまうと、そこで一旦スキャンが終了してしまいます。
なぞっていく速度ですが、ちょうどラインマーカーを使うときと同じくらいのスピードでも、正確に読み込んでくれます。
パッケージの文字
最初に、商品パッケージの文字をスキャン、パッケージに蛍光灯の光が当った状態で表面はテカテカと光っています。結果は下図のとおり
【スキャン結果】
4箇所のスキャンエラーがありました。エラーした文字は1文字で薄い緑の「訳」、あとの3箇所は「三角の記号」でした。
「WorldPenScan USB」付属マニュアル 横書き
次に、横書きをテストするために「付属マニュアル」をスキャンしました。
【スキャン結果】
3箇所のスキャンエラーがありました。2箇所は「カギ括弧(「」)」、もう1箇所はアラビア数字の「Ⅱ」これはテキストモードでのスキャンなので致し方ないかと思われます。
単行本 縦書き
次は、縦書きをテストするために手持ちの「単行本」の一文をスキャンしました。
【スキャン結果】
スキャンエラーはありませんでした。すべてが文字の場合は、何の問題もなくスキャンできるようです。
色付きの本 縦書き
最後に、かなりキメの粗い雑誌のような本から「青地に白文字」「オレンジ色文字」の部分をスキャンしました。
【スキャン結果】
「青地に白文字」では、「慣行」の「行」の文字が「竹」に、「オレンジ色文字」では、やはり「カギ括弧」の「(」)」が「ー」になりました。
ついでに、バーコードと英数字
ついでにパッケージに貼付されているバーコードと英数字もスキャンしてみましたが、これはまったく問題なく読み込みます。まあ当然ですね。
まとめ
今回の「WorldPenScan USB」(400-SCN037)スキャンテストでは、通常あまりスキャンすることのないような色付きの文字や、ツヤのあるパッケージなどもテストしてみました。しかし、エラーの傾向として「記号」が苦手であることを除けば、ほぼ問題なく読み込んでいるようです。
この結果なら、ペン型スキャナとして「十分な精度の高さを備えている」と言えるのではないでしょうか。携帯も可能な手軽で便利なツールとしてかなり重宝するはずです。これから、どんどん使い込んでいこうと思っています。
ちなみに、読み込み可能な言語は世界193カ国語に対応しています。これがあれば外国語で書かれた文章の大まかな翻訳もできます。また、外出先で手渡された書類の内容をスキャンして会社にメール送信するなど、ノートパソコンを持ち歩く機会の多いビジネスマンにもおすすめではないでしょうか。
では、また気になるアイテムやツールが手に入ったときはレポートしたいと思います。
今回の結果はあくまでも私が使用した結果ですので、誰が使用しても同じ結果が出るわけではないと思いますが、丁寧にスキャンすればうまく読み込めるはずです。
テストに使用したテキストエディッタ「Ulysses」
Ulysses
カテゴリ: Productivity
価格: 無料