車を購入し、まず最初にドレスアップしたくなるパーツはホイールではないでしょうか。ホイールを交換するだけで、車全体の雰囲気はかなり変わってきます。ホイールは、最もオーナーのセンスが問われるパーツでもあります。
そして、このホイール交換こそが「チューンアップ」への第一歩になります。その理由は、純正ホイールよりも軽くて丈夫なホイールを選ぶことが「バネ下重量の軽量化につながる、最も簡単で効果的な方法」だからです。
そこで、チューニング・ビギナーのためにバネ下重量を軽減することの重要性について簡単にまとめておきます。
なぜ、バネ下重量の軽量化が重要なのか?
その答えは、【バネ下重量1㎏の軽量化は、バネ上重量15㎏の軽量化に匹敵する】ということなのです。バネ下重量とは、サスペンションのスプリングから下の総重量のことです。
スプリングから下のパーツには次のようなパーツがあります。
タイヤ、ホイール、ブレーキローターやブレーキキャリパーなどのブレーキシステム、サスペンション・アーム(アッパー、ロア)、スタビライザー、ドライブシャフト、キャタライザー、エキゾースト・パイプ(フロント、センター)、マフラーなど。
バネ下重量の軽減には、上記のパーツを軽くて丈夫な素材を使ったものに交換する、ということになります。素材としては、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス(SUS304)、チタニウム、カーボンファイバーなどがあり、強度を考慮し適切な素材が適切なパーツに用いられます。
例えば、純正ホイールを交換する場合は「アルミホイール」、さらに軽い「マグネシウムホイール」などに交換、そして強度も要求するのであれば鋳造品よりも鍛造品を選択すると良いでしょう。
写真:Z33に装着していた「nismo LM-GT4」(RAYS製軽量鍛造アルミホイール)
ホイールに関していえば、現在は「カーボンファイバー製」の「軽量かつ高強度」なホイールも開発され始めました。
YouTubeより:「The new 20-inch 911 Turbo Carbon Wheel for the 911 Turbo S Exclusive Series」
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バネ下重量の軽量化によるメリット・デメリット
では、バネ下重量を軽減することでどんなメリットがあるのか?
また、デメリットはないのか?
考えられるメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリットとしては、「走行安定性やハンドリング応答性(レスポンス)の向上」や「加速・ブレーキ性能の向上」、足回りの路面追従性が良くなることによる「乗り心地の向上」などです。これらはパーツ交換後ただちに体感できるはずです。
また、軽量化により必然的にエンジンへの負担も軽減されるため、無駄なパワーロスが減少し「燃費の向上」につながることが考えられます。これは、今後の電気・水素自動車の開発においても重要なポイントになるでしょう。
特にデメリットはないと思われます。
あえて挙げるとすれば、車両重量の軽い車種の場合は路面からの情報が伝わりやすくなるため、振動が増えて「乗り心地が低下する」、軽量アルミホイールの場合は段差に注意しないと「変形しやすい」ことくらいでしょう。
まとめ
チューニングの第一歩として、「バネ下重量の軽量化」について書きました。
冒頭にも書きましたが、車好きが車を購入し、最初に手を加える部分は「ホイール」、次に「マフラー」「足回り」ではないでしょうか。これは、「純正ホイールでは今一つだ」とか、「純正マフラーでは排気効率が悪い」といった理由で交換していることが多いでしょう。
しかし、ホイールやマフラー、足回りの交換の裏には「バネ下重量の軽量化」というたいへん重要なチューニング・ポイントが隠れていたのです。チューニングの第一歩として、理にかなっていたということですね。
キビキビとした走りを求めるなら、できるだけ軽くて丈夫な素材のパーツを選ぶことをおすすめします。